「言葉が上手く伝わらない...」と悩んでいる人に、知っておいてほしいたった1つのこと
「ちょっとその機械の電源付けといてくれない?」
と言われた時、あなたは下のどちらのボタンを押しますか?
左でしょうか、右でしょうか
きっと、パソコンなどの電子機器をよく使う人は右側のボタンを押すかと思います。
けれど、左も電源ボタンです。(昔のWindowsを閉じる時のアイコンです)
言葉が伝わらないとはどういうことか
ここで、前提として理解してほしいことがあります。
それは言葉が伝わらないとは「自分がイメージしているものと、言葉を聞いた相手が考えたイメージが異なる」ということです。
つまり、言葉を伝えることの最終目的はイメージを正しく伝える事にあります。(もちろん、伝えたくないときは別ですが...)
自分が思いつくイメージや、相手が思いつくイメージは今までの経験や知識、性格などに大きく影響されます。
今まで、「上手く言葉を伝えられない」と思い込んでいた人
全て「あなたの責任」というわけではありません。
ただし、そんな中でも「できる限り正確に」イメージを伝える方法があります。
知っておくべき1つのこと
相手に物を伝える時は
「できるだけ、相手の知識や経験に合わせて、又は経験や知識が無い場合にも通じるように」言葉を選ぶことが必要です。
例えば
「ちょっと」などという表現は避けたほうがいいでしょう。
(曖昧な表現をしたいときは別です)
今、近くにテレビがある人はテレビを、無い人はそれくらい大きなものに当てはめてほしいのですが
「そのテレビちょっと動かしてくれない?」
と言われたとき、あなたはどれくらい動かしますか?
2cm?3cm?それとも10cmくらい動かせば希望通りなんでしょうか。
だったら元々
「そのテレビ20センチくらい横に動かしてくれない?」
と頼まれた方がやりやすいはずです。
ただ、ここでも頼んだ側の20cmのイメージと頼まれた側の20cmのイメージが異なる可能性は残ります。
それくらいの誤差は容認されることが多いとは思います。
どうしても、そのズレを生んではいけないとき、例えば工場などといった操作が必要になる場所では
「そのラインまで動かしてくれる?」
といった、方法が使えます。その「ライン」という標を使うことで、「誰でも」・「同じように」できるように設定されています。
普段の生活でそこまで細かな頼みごとがあることは少ないと思うので
再度言いますが、しっかりと認識してほしい事は
「できるだけ、相手の知識や経験に合わせて、又は経験や知識が無い場合にも通じるように」言葉を選ぶことが必要だということです。
経験や知識に関わらない伝え方
じゃあ、どうすればいいの?
という人に対して、とりあえずここから始めよう!という言葉の選び方はあります。
最初は言葉を選ぶことで「時間を要する」こともあると思います。
「相手に話しかけるためだけに時間を使うなんて...」
と、軽く見ないでください。
相手に言葉が上手く伝わらなくて、修正にかかる時間の方が圧倒的に手間になります。
相手との信頼も失います。
相手の知識や経験に関わらない物の伝え方の練習は結構大事で
- 数値・固有名詞を入れる事(例:「2cm」,「丸が閉じているボタン」など)
- 色など、人間の認識に固有の特徴があるものを利用する。
1については例に書いた通りです。
2に関してですが、人は色に関して抱く感覚が似ています。
例えば、赤や黄色は「危険」そうなイメージを持ちますし、青はその反対であることが多いです。
一方、○は「良い」印象を持つのに対し、×は「良くない」印象を持ちます。
(ここでは、×が本当に悪いかどうかわからないじゃないかといった言及は控えて頂けると助かります)
下のリンクで細かく分類されているので参考にしてください。
こういう事を理解していると、話言葉だけでなく、資料作成などにも役に立ちます。
例えば、自分の担当部門外の人達へプレゼンテーションをするとき、生徒にプレゼンテーションをするとき、研修で新人に教える時
経験の差は圧倒的です。
そんな場所でも、せめて90%は正しく情報が伝わるように努力すること
それが大事になります。
あなたが何か物を買ったとき、「マニュアル」はほとんどの場合ついてきます。
あの「マニュアル」は、「経験のある」人が「経験の無い」ユーザーに向けて書かれています。
そういった観点から見てみると、あのうんざりな取扱説明書も意外と面白いものに思えてきませんか?